米国株投資家の懸念材料 利下げのタイミングについて考察


アメリカの市場観測においては、FRB(日本で言えば日銀のような存在)が、2019年7月中に利下げを行う可能性が高いとみられています。

2018年の年末の時点では、今後ペースは落ちるものの、まだ利上げをしていくだろうとの見方が大方の予想でした。

しかし2019年初年度を迎えると、FRBが利下げをする可能性が徐々に高まり、月日が経つごとに、アメリカ株式相場には「利下げ」が織り込まれ、株価はグングン上昇していきました。

FRBはこれまで頑なに「利下げはしない」という意思表示してきましたが、トランプ大統領の圧力に屈してしまったのか…は不明ですが、ここにきて利下げを行う可能性がかなり高まっています。

今回は、米国株投資家の懸念材料の一つである利下げのタイミングについて考察します。

利下げとは?

米国株投資家たちの懸念材料の一つである、利下げ考察の前に、利下げとはどういうものなのかを簡単に解説します。

 

アメリカが「利上げする」「利下げする」、そんなニュースを目にしたり耳にしたことがあると思います。

 

利上げとは・・・アメリカの市場金利を上げることです。

利下げとは・・・アメリカの市場金利を下げることです。

 

では「市場金利を上げる」「市場金利を下げる」、この2点について解説しますね。

市場金利を上げる(利上げ)と、企業にとってはマイナス要因になります。

なぜなら、銀行からお金を借りる立場である企業は、いずれお金を返す必要があります。その時に、金利が高ければその分返済する金額が大きくなるため、企業はお金を借りにくくなります。

 

逆に市場金利を下げる(利下げ)と、企業にとってはプラス要因になります。

なぜなら、銀行からお金を借りる立場である企業は、金利が低ければその分返済する金額は少額で済むため、企業はお金を借りやすくなります。

 

では、企業がお金を借りやすくなる、借りにくくなることで、どういうことが起きるのでしょうか。

 

お金を借りやすくなることで、お金が市場に出回り景気が活性化します。

お金が借りにくくなれば、市場にお金が出回らなくなり景気は後退します。

 

つまり、FRBや日銀など、世界の中央銀行は、加熱しすぎた市場を抑えるために「利上げ」をして金融を引き締め、景気を活性化するために「利下げ」をして金融緩和をすることで、景気を調整しているのです。


利下げを行う必要性はあるのか

そもそも今のアメリカが利下げを行う必要性があるのでしょうか。

 

上の画像はS&P500指数のチャートです。

NYダウ指数やS&P500指数は、先日最高値を更新したばかりです。このチャートを見ていると、とても景気後退が始まるようには思えませんし、今のところ利下げをする状況には全くないように感じてしまいます。

しかしここが株式市場の難しいところで、というのは、この高値更新は「FRBが、利下げを行うことが織り込み済み」である可能性が高いからです。

 

上の画像は、2019年の7月時点で、どれくらいの市場参加者が利下げを見込んでいるのかを現したグラフになります。

74.5%の市場参加者が「2019年7月に2-2.25%まで利下げをする」ということを見込んでいるわけです。

つまり多くの市場参加者が「利下げをするから景気が良くなり、株価も上がるだろう」と見込んでいるため、アメリカ株式市場にお金が流れ込んでいるわけです。

ということは、逆に言えば、2019年7月中に利下げが行われなかったとした場合は、株価は暴落する可能性が高いと言えます。

 

では、株式市場ではなく、アメリカ人が感じている景況感は実際どうなのでしょうか。

 

▼米国ISM製造業景況指数

米国ISM製造業景況指数とは、アメリカの製造業350社を対象として、景況感に対するアンケートを実施したものになります。

米国ISM製造業景況指数は、アメリカの景況感を示すうえで最も参考にされる指標であり、非常に注目度の高い経済指標の一つです。

一般的には、米国ISM製造業景況指数が50%を下回ると「景気後退」50%を上回ると「景気拡大」と言われています。

上のグラフを見てみると、2018年の頃は、50%を大きく上回っていましたが、ここにきて50%を割り込む勢いです。

確かに最近の景況感は良くない感じですが、数値的にもまだ50%を割り込んではおらず、景気後退局面に突入しているとは言い難い状況です。

 

 

世界経済はどうでしょうか。

今後はまだ長引きそうな、米中貿易戦争の影響による世界各国の景気後退は深刻です。

更に、イギリスのトランプ大統領とも言われるボリス・ジョンソン英首相は「10月31日にEUを離脱する」と発言したことで注目が集まっていますが、この発言により、イギリスが合意なき離脱に向かう可能性はより一層高まっています。

仮にそうなれば、世界経済は一気に減速するでしょう。

 

米国では、逆イールド化現象も解消しており、景気後退のシグナルがいくつも見え始めていることから、米国株もいよいよ最終局面に来ているということが言えそうです。

とはいえ、シグナルが見え始めてきているだけで、景気後退が始まっているわけではありません。

来年には、米大統領選も控えていることから、短期目線ではまだ上がるかもしれませんけどね。

米国株投資家の懸念材料

FRBは当初、利下げはしないと発言していましたが、ここにきてなぜ急に、利下げをしなければいけない事態になってしまったのでしょうか。

FRBに対するトランプ大統領の圧力とも言われていますが、一説には、FRB内の派閥争いとの噂もあり真相は不明です。

 

景気が上向きな時に利下げを行わない方がよい理由は、いざ本当の景気後退局面が訪れた時に「打つ手がなくなってしまう」からです。

利下げは示唆しながらもできる限りとっておき、本当の景気後退局面が訪れた時に「利下げ」をするべきだと私は思います。

個人的には、今の米国市場はその局面にはいない気がしますけどね。

ただ、今までの歴史を垣間見ても「利下げを開始して数か月後に、景気後退局面に突入する」という事例が多く、実際にその利下げを行うタイミングは激ムズなんでしょう。

 

あまり利下げ幅がないにも関わらず「利下げ」をする奥の手を使ってしまうと、今の日本のように「打つ手なし」状態になってしまいます。

日銀の黒田総裁は「マイナス緩和はまだ深堀できる」などと豪語していますが、これ以上追加緩和しても、ほとんど効果がないと思いますけどね。

アメリカが利下げを行えば、為替は円高ドル安に動くでしょうが、もはや文字通り「打つ手なし」の日本、、、どうするんでしょう…。

 

以上のような理由から、頻繁に利下げを行うことは、日本のような詰んだ状態になりかねないため、それは米国株投資家の懸念材料の一つと言えます。

まとめ

今回はアメリカが行う利下げについて記事にしてみました。

利下げを行うことは株式市場を活性化しますが、一時的なものでもあるため、タイミングが重要だと感じます。

10年以上絶好調だった米国株の暴落もいよいよ近そうですが、インデックス投資家は淡々と積立ていきましょう。

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